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身体の中で最も大きい関節である膝関節。日常の生活を支える、その機能や特徴とは?傷めてしまった場合には、どのような治療の選択肢があるのでしょう。
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膝関節について
弘前大学大学院医学研究科 整形外科 教授 石橋 恭之 先生
骨は体を支えたり内蔵を保護したりする役割を持ちます。つまりヒトの体を家に例えると、骨は柱の部分にあたります。この骨と骨をつなぐ部分を“関節”と呼び運動器(うんどうき)の一部です。骨と骨の間に関節があることで、ヒトは歩いたり手を動かしたりすることが可能となります。関節は体中のいたるところに存在し、主な関節に肩関節、肘関節、股関節、膝関節などがあります。
関節は部位により様々な形態と機能を持っていますが、基本的な構造として、骨の他に関節軟骨(かんせつなんこつ)、関節包(かんせつほう)、靱帯(じんたい)などが挙げられます。骨の表面にはなめらかな関節軟骨が被っていて、硬い組織である骨同士が直接ぶつかり合わないように、クッションのような役割をしています。靱帯は骨と骨をつなぐ紐のようなもので、関節がグラグラしないようにしています。関節包は袋のように関節を包み込み、この内側にある滑膜(かつまく)というところから少量の水<=関節液(かんせつえき)>を分泌しています。なめらかな軟骨と関節液の存在により、関節はスムーズに動き、痛みを感じることがありません。
膝関節は大腿(だいたい)と下腿(かたい)の間にある荷重関節(かじゅうかんせつ)の一つであり、体のなかで最も大きな関節です。
大腿骨(だいたいこつ)、脛骨(けいこつ)、膝蓋骨(しつがいこつ)の3つの骨からなり、横から見ると、平らな脛骨の上に丸い大腿骨が載っているような形をしています。
膝は体重をしっかり支えなければならない荷重関節であるにもかかわらず、非常に不安定で適合性の悪い関節といわれています。この不安定な関節を安定させるために、骨と骨をつなぐ靱帯が膝関節では重要な役割を果たしており、また関節の適合性を良くするために、半月板(はんげつばん)が発達しています。
膝を動かすときには、その靱帯と半月板の助けをかりて、大腿骨が脛骨の上を転がりながら滑るようにして動いています。このようにして膝関節は単に屈伸(くっしん)だけでなく回旋(かいせん)する事も可能です。 この様に膝関節は日常生活やスポーツ活動中に実際には非常に複雑な運動をしています。
※ 先生方のご所属・肩書などは、執筆いただいた当時のものです。
膝関節の疾患と治療法 その1