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Glossary
運動器(locomotive organs)とは、筋肉、腱、靱帯、骨、軟骨、関節、神経、脈管系など、身体運動に関わる組織・器官の機能的総称。
近年、高齢化社会を迎えた日本において、寝たきり状態になる原因の一つとしてこの運動器の障害によるロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)というものが注目されている。
MRI(magnetic resonance imaging / 核磁気共鳴画像法)とは、磁場の力を利用して生体内の内部の情報を画像化する方法。
X線(レントゲン検査)では写りにくい骨以外の部分(筋肉、半月板、神経など)を見ることができる。 最近は性能が向上し、薄い軟骨の状態も画像化することが可能となっている
正常な半月板は上から見るとアルファベットの「C」の字状で、横から見ると「くさび」のような形をしていて、大腿骨(だいたいこつ = 太ももの骨)と脛骨(けいこつ = すねの骨)のすき間を埋めている。これが円板状半月では先天的に円板のように厚く丸い形をしているため、大腿骨と脛骨に挟まれて損傷しやすくなる
ねじる
関節の中でも体重のかかる関節(股関節、膝関節、足関節など)を荷重関節と呼んでいる。 これらの関節は体重を支えながら動くという人間の基本的な動作に重要な役割を果たしている。
すね
関節内には必ず関節液が存在するが、正常な状態ではごく僅かであり、通常はその存在には気づくことはない。 その関節液にはヒアルロン酸といった物質が含まれるため、粘稠性(ねんちょうせい)があり(ヌルヌルしていて)、関節の潤滑油(じゅんかつゆ)としての役割を持っている。 関節に炎症がおこると、粘稠性の低い(サラサラした)関節液が多量に分泌され、いわゆる“膝に水がたまった”状態になる。 この様な状態では正常な関節液の機能が十分果たせず、関節の痛みや腫れを増強させる原因となる
関節鏡は、1918年に高木憲次先生により世界に先駆けて日本で創始された医療技術のひとつ(http://www.joskas.jp/)。
小さな切開 (約5mm)を皮膚に加えて細いカメラを挿入し、関節の中を観察する。 現在はテレビ画面を見ながら、関節内外の様々な手術が行われている。 従来の方法に比べ、傷をつける部分が小さく、手術後は早期に動かす事が可能となり、リハビリテーションも容易になった
骨の表面を覆っている厚さ2~4mmの層。軟骨細胞のまわりにコラーゲンとヒアルロン酸、プロテオグリカンからなる器質が存在し、そこにおよそ80%の水分を含んでいる。その主な役割は、衝撃を吸収することと、滑りを良くすること (正常な状態の関節軟骨の摩擦係数(まさつけいすう)は0.002~0.005ときわめて低く、氷上を滑るスケートの1/10ともいわれている)。軟骨の特徴として、細胞成分(軟骨細胞)が乏しく、血管や神経がない。 このため軟骨は一旦損傷されると、自然に元通りに治ることは難しく、徐々に変形性膝関節症(「疾患編1」参照) へと進行する
識別
関節を包みこんでいる袋のようなものを関節包という。 この関節包の内側に滑膜が存在し、関節液(かんせつえき)を関節内に分泌し、また古くなった関節液を再び吸収して取りのぞいている。
関節リウマチ(「疾患編1」参照)では滑膜(かつまく)に炎症が生じ、膜が増殖したり肥厚(厚くなる)したりする。 この炎症が波及して、徐々に体中の軟骨や骨を破壊していく
関節リウマチの症状はさまざまで、また、関節の痛みを伴う病気はその他にも沢山存在する。 そこで、アメリカリウマチ学会がつくった診断基準をもとに診断されている。この診断基準は、
① 1時間以上続く朝のこわばり
② 3個所以上の関節の腫れ
③ 手の関節の腫れ
④ 対称性の関節の腫れ
⑤ 手のエックス線写真の異常所見
⑥ 皮下結節
⑦ 血液検査でリウマチ反応が陽性
の7項目からできている。
このうち4項目以上満たせば、関節リウマチと診断される(ただし、①から④までは6週間以上持続することが必要)。
急激に病状が悪化すること
血管や管状の器官の内腔が狭くなること
膝のまげのばし
すねの骨
切開は行わず、皮膚上に小さな穴をあけて操作を行うこと。
尿閉や尿失禁、おしっこが出ない、漏れること。
筋肉が骨に付着する部分を“腱”と呼ぶ。
良く知られているアキレス腱は、ふくらはぎの筋肉の腱。靱帯再建術には、ハムストリング(太ももの裏の筋肉)の腱や膝蓋腱(太ももの前の大腿四頭筋)がよく用いられる
約3~4 cmほどの皮膚切開を行ない、術部を顕微鏡で拡大(数倍~20倍程度)してヘルニアを摘出する方法です。顕微鏡を覗きながら、直視下で手術を行なうことができます。
高まる、進行すること
骨の中の細胞が何らかの原因で死んでしまった状態。
膝の特発性骨壊死は、主に大腿骨の内側の体重のかかる部分に生じる。一方、他の病気の治療に用いられたステロイドという薬の副作用として生じる骨壊死は“ステロイド性骨壊死”と呼ばれ、膝の広い範囲に生じる
骨のカルシウムが減った状態で、骨が大根の鬆(ス)のようにスカスカになった状態をいう。骨粗鬆症になると背骨が曲がったり、転倒などで手首やももの付け根(大腿骨頚部)が簡単に折れたりする
ひざのお皿
もともと軍事用に開発されたもので、人工衛星を用いて地球上の現在位置を調べるためのシステム。全地球測位システム、汎地球測位システムとも言う
人工関節置換術の合併症は、手術手技の進歩や人工関節の材料・デザインの改良により、かなり少なくなった。しかし現在もごく僅かながら、幾つかの合併症が起こる可能性がある(感染、人工関節の破損や弛み、深部静脈血栓症など)
骨と骨を連結する帯状あるいは紐のような部分を靱帯と呼ぶ。靱帯は関節の中にあるものと関節の外にあるものがあり、大部分がコラーゲンから出来ている。 その役割は、関節がグラグラしないように安定化させることと、関節が有効に機能するようにその動きを誘導することにある。
膝関節では、前十字靭帯、後十字靱帯、内側側副靱帯、外側側副靱帯などの靱帯が発達しており、それぞれが重要な役割をもっている。特に前十字靭帯(「疾患編2」参照)はスポーツ活動中によく断裂することがあり、その場合には手術的な治療が必要となる
頭蓋は多数の頭蓋骨が接合し構成されている。
骨と骨との狭い隙間に非常に少量の結合組織があり連結しているところを「縫合」という
シャント機能が働きすぎることにより脳室が正常以下に狭くなり、スリット状になること。カテーテルの閉塞 → 再開後、脳脊髄圧のわずかな上昇でも吐き気、嘔吐、頭痛等の症状をきたす
臓器・組織の主要構成要素を指す解剖用語
X線を通さない造影剤を穿刺針で脊椎から脳脊髄液に注入し、脊髄のX線画像を撮る検査。この脊髄造影も、ほとんどの場合、詳細な画像が簡単かつ安全に撮影できるMRIに取って代わられている。しかし、姿勢による変化や脊柱管とその周囲の骨を詳しく調べる場合は、今でもCT検査とともに脊髄造影が用いられる。MRIが使えない場合の緊急検査としても使われている
太もも
太ももの骨
体壁に囲まれた内部の空間をいい、横隔膜が上下の空間を仕切っている。肺・心臓などがある上部の空間を「胸腔」、消化器・泌尿器が収まっている空間を「腹腔」と呼ぶ
大脳は、左右対称の大脳半球から成り立ち、左半球には言語をつかさどる「言語野」がある。また、右半身の制御を主に左半球が、左半身を右半球が行っている。
「侵襲」とは、生体内の恒常性を乱すことを指す医学用語で、「手術」は生体に「侵襲」を加える治療法である。内視鏡手術を代表とする、従来よりも「侵襲」の少ない手術のことを「低侵襲手術」と呼ぶ
内視鏡を使って椎間板ヘルニアの髄核を摘出する手術。
1~2 cmほどの皮膚切開を行ない、モニター画面を見ながらヘルニアを摘出する
おしっこが出ない・漏れること
半月板はその名のとおりC型の半円形をした線維性の軟骨のこと。そのほとんどはコラーゲンからなり、膝関節にかかる荷重を分散させ、衝撃を吸収し、また関節を安定化させる働きがある。 体重がかかった状態で膝を捻ったりすると半月板損傷(「疾患編2」参照)が生じることがある。半月板損傷によりその機能が失われると、変形性膝関節症(「疾患編1」参照)へと徐々に進行していく
閉じてふさがっている状態
変形性膝関節症の原因として、老化による関節軟骨の変性の他、性別(1対4で女性に多い)、肥満、労働・スポーツなどの生活習慣、O脚、外傷(半月板損傷(疾患編2参照)、靭帯損傷(疾患編2参照)など)、感染など多くの要因が挙げられる。 特に肥満は変形性膝関節症との関連が強いことが知られている
手術を行なわない治療方法
ロボット手術とは、ロボット(器械)が患者さんと直接(もしくは間接的に)接触し、手術を行うもの。
これに対してナビゲーションは、術前計画を立てたり、手術中に様々な情報を外科医に提供したりするもので、手術自体は外科医が行う手術支援システムである